UVケアの基礎知識|正しいケア方法&効果が半減するNG行動
紫外線は、皮膚に大きなダメージを与える肌の大敵です。日やけで赤くなったり黒くなったりするUVケアの基礎知識|正しいケア方法&効果が半減するNG行動けでなく、ダメージが蓄積されることでシミ・たるみ・しわができる原因にもなります。紫外線による肌ダメージを予防するためには、UVケアの正しい知識を持つことが大切です。
この記事では、UVケアの基礎知識やUVカットとの違い、UVケアの必要性などを解説します。UVケアの効果を高める正しいやり方や、反対に効果を下げてしまうNG行動も紹介するので、UVケアの正しい知識を得たい人はぜひご一読ください。
<目次>
- まとめ
1.UVケアの基礎知識
UVケアとは、紫外線や紫外線のダメージから肌を守るために行うスキンケア、もしくはケアに使う専用商品のことです。UVケアの代表例としては、日やけ止めが挙げられます。日やけ止めは、肌の奥に紫外線が到達しないよう、紫外線を散乱させたり吸収したりする機能を持つ化粧品です。
日やけ止めには、クリーム・ジェル・乳液・ウォータープルーフなどさまざまなタイプがあり、紫外線を防ぐ効果の高さはSPFとPAの値で示されています。
●SPF:主にUV-Bの影響を防ぐ効果を「SPF20」「SPF50」など数値で表す
●PA:主にUV-Aの影響を防ぐ効果を「PA+」「PA+++」など+で表す
どちらも数値が高い・+が多いほど紫外線を防ぐ効果が高いものの、肌への負担も大きくなるため、季節や利用シーン別に商品を選ぶことが重要です。
<1-1.UVケアとUVカットの違い>
UVケアとよく似た使われ方をする言葉に、「UVカット」があります。UVカットとは、紫外線を吸収したり遮断したりして、肌に届かなくする機能です。例えば、SPF・PA効果のある日やけ止めや化粧品は紫外線を吸収するため、UVカット機能があると言えるでしょう。日傘や帽子、ラッシュガードなどのアイテムも同様です。
一方、UVケアは紫外線の影響から肌を守るお手入れすべてを指します。つまりUVケアはUVカットに加えて、日やけ後に行うアフターケアなども含めて使われる言葉です。
<1-2.UVケアの必要性>
紫外線は皮膚のコラーゲンやエラスチンといった、肌のハリや弾力を保つために必要な成分へ悪影響を及ぼすことで、たるみやしわを引き起こします。また、紫外線はメラノサイトを活性化する作用もあり、過剰に分泌されるメラニン色素がシミやそばかすに変化するケースも少なくありません。
肌の状態を美しく保つためには、できるだけ肌に届く紫外線量を減らしつつ、紫外線を浴びてしまった後はフォローが必要です。
2.UVケアが必要な紫外線の種類
紫外線には全部で3つの種類がありますが、UVケアが必要となるのは以下の2つです。
●UV-A
UV-Aは、メラノサイトを活性化して色素沈着を誘発し、シミの原因になります。また、肌の真皮まで到達して線維芽細胞を破壊することで、肌のハリや弾力を失わせる恐れも高い紫外線です。UV-Bに比べると人体への影響が少ないとされるものの、長時間浴びた場合は肌への悪影響が懸念されています。
●UV-B
UV-Bは、大部分が成層圏で大気に吸収され地表への到達は少ないものの、人体への影響が大きい紫外線です。皮膚や目にとって有害であり、皮膚がんの原因にもなります。一般的に、日やけと言われる症状を引き起こす主な原因はこのUV-Bのほうです。ひどい場合は水ぶくれを引き起こし、表皮細胞や免疫細胞を変質させたり壊死させたりします。
屋内でも日の光が差し込んでいれば紫外線の影響を受けるため、注意が必要です。また、曇りの日や日陰でも大気中に散乱する光には、多くの紫外線が含まれています。
3.効果を高めるUVケアの正しい方法
UVケアには、正しいやり方があります。どれほど高い効果のあるグッズを使用しても、やり方を間違うと期待する効果を得られません。UVケアの効果を十分に引き出したいのであれば、塗り方やタイミングなどを押さえておきましょう。
ここでは、UVケアの効果を高めるやり方を解説します。
<3-1.【日やけ止め】規定量をスポンジでムラなく塗る>
日やけ止めは、商品ごとに規定されている適量を守り、ムラなく塗ることがポイントです。パッケージの商品情報や説明書をチェックし、どの程度の量を使えばよいかを確認しましょう。
規定量が分からない場合、顔に対してクリームタイプの日やけ止めはパール粒2個分、液状の日やけ止めは1円硬貨2枚分が目安です。2回に分けて重ね塗りすると、まんべんなく塗りやすくなります。
<3-2.【日やけ止め】2~3時間ごとに塗りなおす>
外出中は汗をかいたり衣服に肌が擦れたりすることで、知らず知らずのうちに自然と日やけ止めが落ちます。目安としては2~3時間程度に1回、あるいは汗をかいたと自覚した時点で塗りなおしましょう。
SPF値・PA値が高い商品や、ウォータープルーフの商品であっても塗りなおしは必要です。外出先で顔の日やけ止めを塗りなおす場合、パウダータイプやスプレータイプの日やけ止めを使用すると、化粧を崩さずに塗りなおすことができます。
<3-3.【グッズ】UVカット加工の衣服・帽子・日傘を使う>
日やけ止めに加えて、UVカット加工が施された衣服や帽子、日傘を併用することも、紫外線対策には有効です。いずれも、基本的に編み目が詰まった生地で色調が濃いもののほうがUVカット効果は高い傾向にあるものの、通気性が悪く熱の吸収率も高い欠点があります。
最近は、薄手でもUVカット率の高い商品があるため、気候に合ったものを選びましょう。帽子のつばは広めのほうが、顔への日差しを遮ることができます。日傘の内側が明るい色だと、光を反射して顔に紫外線が集まるため注意が必要です。
4.UVケアの効果が半減するNG行動
UVケアの正しいやり方が分かった後も、油断は大敵です。正しい方法でUVケアをしても、NG行動を取るとUVケアの効果は落ちてしまいます。NG行動を知り、UVケアの効果を十分に受けられるようにしましょう。
<4-1.開封後半年を過ぎた日やけ止めを使う>
適切な環境下で保存した場合、一般的な化粧品と同じく日やけ止めの使用期限も開封済みは1年、未開封であれば3年は持つと言われています。しかし、一度開封した日やけ止めを半年以上経ってから使用することは推奨されていません。
開封後の日やけ止めは徐々に中身の劣化が進み変質したり、日やけ止めとしての効果自体が薄れたりすることもあります。また、ホコリが混じっていたり雑菌が繁殖していたりすると肌トラブルを起こすこともあるため、開封後半年を経過した日やけ止めは使わないほうが無難です。日やけ止めはたっぷりと使用し、ワンシーズンで使い切りましょう。
<4-2.洗髪後すぐに外出する>
洗髪後すぐの外出は、髪の毛や頭皮が傷みやすくなる要注意行動です。通常時であれば、頭皮や髪の毛は薄い皮脂の膜によって守られています。しかし、シャンプーで皮脂の防御膜を洗い流してしまうと、外出中に頭を守ってくれるはずのバリア機能が働きません。
バリア機能が低下すると、紫外線の影響をそのまま髪の毛や頭皮が受けることになり、日やけだけでなく抜け毛や白髪といったダメージとして現れることもあります。可能であれば洗髪は夜に行い、外出前に洗髪する場合は、頭や髪の毛にも日やけ止めを使った上で日傘と帽子でしっかりとガードしましょう。
まとめ
UVケアは、紫外線から肌を守るUVカットに加え、紫外線ダメージを受けた肌を労わるケアも含めたUV対策全般を指す言葉です。紫外線に含まれるUV-AやUV-Bは肌のハリを緩ませたり、シミ・たるみ・しわの原因になったりするため、美肌を保つためにはUVケアが欠かせません。
UVケアの基本は、日やけ止めとUVカット加工が施されたグッズの併用です。日やけ止めは用法容量を守りムラなく小まめに塗りなおすことを心がけ、ワンシーズンを目安に使い切るようにしましょう。毎日のUVケアを怠らない意識が、美しい肌を保つことにつながります。
この記事を監修したドクター
院長 佐藤 英明 先生