顔の乾燥の原因は?よく起こるトラブルや乾燥防止のポイントも
顔の乾燥の原因は、室内の空気の乾燥・スキンケアの問題・紫外線・ターンオーバーの乱れ・加齢などさまざまです。顔の乾燥は、肌トラブルを誘発することもあり、美容にもよくないため、防ぎたいという方が多いでしょう。
この記事では、顔が乾燥する5つの代表的な原因に加え、顔が乾燥することによる肌トラブル・顔の乾燥を防ぐための4つのポイントまでを詳しく解説します。顔の乾燥によるトラブルを防ぎたい方・改善したい方はぜひ参考にしてください。
<目次>
- 1.顔の乾燥の原因は?
1.顔の乾燥の原因は?顔は身体の中でも特に皮膚が薄い部分であり、外部からの刺激や身体の内側のトラブルなどさまざまな原因により乾燥状態に陥りやすいという特徴があります。単純な乾燥であれば、正しいケアをすることで症状を緩和させる事が可能です。
一方、アトピー性皮膚炎などの皮膚疾患が原因で肌の乾燥が起こっている場合のセルフケアは、状態を悪化させるリスクがあります。
一般的に「乾燥の原因」といわれる5つの項目を紹介します。
<1-1.空気の乾燥?>
顔は衣類などで覆われていない分、空気の影響をダイレクトに受けます。乾燥した空気に触れた肌は、内部の水分がどんどんと蒸発して潤いが失われます。
冬の外気だけでなく、冷房や暖房などをきかせた湿度の低い部屋に長時間いることも肌の乾燥につながるため注意が必要です。
<1-2.スキンケアの不足・誤り>
日々の肌ケアも、方法を間違えると乾燥を誘引する原因となる場合があります。
誤ったスキンケア方法 乾燥の理由 熱いお湯を使った洗顔 肌に必要な皮脂や保湿成分まで洗い流してしまう。 洗浄力の強いクレンジング剤 肌に必要な皮脂や保湿成分まで洗い流してしまう。 力を入れたクレンジング 摩擦により肌が傷つき、表面のバリア機能が低下する。これにより乾燥・ターンオーバーの乱れが発生。 洗顔後、タオルでこする 摩擦により肌が傷つき、表面のバリア機能が低下する。これにより乾燥・ターンオーバーの乱れが発生。 また、単純に化粧水や乳液の使用料が少ないこと・きちんと塗り広げられていないことなどが原因で乾燥を招くケースも少なくありません。
<1-3.紫外線によるダメージ>
紫外線の中でも肌の内側にまで影響を及ぼすUVA波は、真皮部分のたんぱく質を変性・減少を引き起こします。コラーゲンやエラスチンといった肌のバランスを保つたんぱく質が失われることで、肌のキメが乱れ乾燥やシワなどのトラブルが誘発されます。
UVA波が、地上まで強く降り注ぐのは夏場だけではありません。1年を通して降り注いでいることに加えて雲やガラス窓も通過する性質を持っているため、気づかないうちにダメージが蓄積しているというケースも少なくありません。
<1-4.ターンオーバーの乱れ>
ターンオーバーとは「肌細胞が生まれ変わる現象」のことで、一般的には約30日の周期で新しい細胞へと置き換わります。ターンオーバーが正常に行われないと、肌全体のバランスや表面のバリア機能が乱れ、乾燥やシミ・シワが起こりやすい肌となります。
この周期は非常にデリケートで、ストレスや睡眠不足などさまざまな影響から簡単に乱れてしまうため注意が必要です。
<1-5.加齢>
年齢を重ねるにつれて起こる身体機能の変化は、顔のうるおいにも影響を与えます。
変化 肌への影響 皮脂分泌量の低下 天然の保湿因子である皮脂が減少し、乾燥しやすくなる 女性ホルモン量の低下 肌の弾力や水分維持をになうエストロゲンの分泌量が減少 基礎代謝の低下 ターンオーバーが遅くなる 線維芽細胞の機能低下 コラーゲンの生成量が減少する これらの変化は、乾燥だけでなくシミ・シワ・くすみなどさまざまな肌トラブルにもつながるリスクがあります。
2.顔の乾燥によるトラブル実際に顔が乾燥することで、下記のようなトラブルが起きる可能性があります。
粉ふき肌・皮がむける 肌表面の角質細胞が、乾燥することでめくれ上がってしまうことで発生します。カサつきが酷くなり、白く粉をふいたような見た目が特徴です。 かゆみ・ヒリヒリとした痛み 乾燥状態が進行し炎症が生じかけると、かゆみやヒリヒリとした痛みが出る場合があります。肌に赤みが現れる他、掻くことで出血を伴うケースもあるでしょう。 炎症(湿疹、ニキビ・アレルギー反応など) 乾燥した部分に、空気中の雑菌や花粉・髪の毛などの刺激が加わることで炎症が起きる恐れがあります。
3.顔の乾燥を防ぐためのポイント冒頭でも解説したように、顔は全身の中でも特に皮膚の薄い部分です。小さなきっかけから肌トラブルを起こしやすいデリケートさがあるため、常に正しいケアをするよう心がけてください。
顔の乾燥を防ぐために、今日から実践できる「4つのポイント」を紹介します。
<3-1.スキンケアを見直す>
普段使用しているスキンケアアイテムは、直接肌に塗るものであるからこそ、できるだけ無添加の商品を選びましょう。多くの化粧品には、香料や石油系界面活性剤などさまざま添加物が配合されています。化粧品には気をつけているという方でも、乾燥が強い場合、洗髪の際のシャンプーにも気をつけてください。シャンプーには、石油系界面活性剤が多く配合されていますので、髪を洗い流す際に、顔に流れないように気をつけてください。
通常時は特にトラブルの原因にならないケースが多いものの、乾燥してバリア機能が低下した肌には刺激が強く、ダメージにつながることがあるため注意が必要です。また、洗顔やスキンケアの際は、強くこすらず優しく肌に触れましょう。
さらに、紫外線による刺激も肌の乾燥を誘発させるリスクがあります。1年を通して日焼け止めクリームや帽子といった基本的な紫外線ケアも欠かさずに行いましょう。
<3-2.保湿を徹底する>
保湿の基本は「洗顔後」と「就寝前」ですが、季節や環境に応じて「日中」もケアするとより効果的です。
タイミング ポイント 洗顔後 ・洗顔料によって皮脂や保湿成分が洗い流されるため、朝の洗顔後&夜の入浴後は忘れずに保湿ケア
・化粧水→乳液の順でしっかりと肌をカバー就寝前 ・オイルやクリームなどを気になる部分に
・枕元に加湿器を置くのもオススメ日中 ・保湿成分が配合されたファンデーションやミネラルパウダー
・ミストを拭きかけての保湿も効果的加齢や乾燥サインが気になる場合には、フェイスマスクや有効成分の配合された美容液といったケアアイテムとの併用もおすすめです。
<3-3.生活習慣に気をつける>
食事や睡眠といった生活習慣を整えることも、肌の乾燥予防に一定の効果が期待できます。
ポイント
食事 ・カフェインの摂りすぎは利尿作用により、身体の水分が失われる
・新陳代謝を促進するビタミンB2やB6を不足させないようにする睡眠 ・就寝中に分泌される「成長ホルモン」は、コラーゲンやヒアルロン酸の生成を促進する働きがある
・長さよりも質の高さのほうが重要である肌を作る基本は、栄養バランスのとれた食事です。必要な栄養素が十分に取れていないと、肌荒れや皮脂不足を招いてしまいます。また、1日の中でしっかりと水分を補給することも意識してください。
加えて、睡眠時間をしっかりと確保することも大切です。生活リズムを見直し、健康的な身体と健やかな肌を目指しましょう。
<3-4.部屋の乾燥対策をする>
加湿器などの電化製品を活用し、部屋の空気にも気を使いましょう。一般的には、湿度が40%を下回ると肌や喉を傷める原因となると言われています。乾燥肌対策を目的とする場合、部屋全体の湿度を50~60%前後に保つことを意識しましょう。
濡れタオルを干すことや小型のスチーマーを使うことでも室内の湿度を維持できるため、乾燥が気になる時季はぜひ試してみてください。
まとめ顔の乾燥が進むと、粉ふき・かゆみ・炎症などのトラブルが起きることがあります。顔の乾燥を防ぐためには、原因を把握した上で、スキンケアを見直し保湿を徹底しましょう。また、食事や睡眠などの生活習慣にも注意が必要です。栄養や水分をよくとり、規則正しい生活を送りましょう。
さらに、室内の乾燥も肌の乾燥の原因となるため、エアコンの風に気をつけたり、加湿器を活用したりすることがおすすめです。
この記事を監修したドクター
院長 佐藤 英明 先生