シワの種類を4タイプに分けて解説!注意すべきシワの原因も
代表的なシワの種類は、乾燥ジワ・表情ジワ・真皮ジワ・たるみジワの4つです。それぞれの特徴やできやすい場所などを把握し、適切なケアを行いましょう。また、シワのケアを行うにあたって、シワの原因を考えることも重要です。
この記事では、シワの種類の詳細から、シワが深くなる5つの原因と対策までを解説します。シワが気になるものの、どのような方法で予防や改善ができるか分からずお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。
<目次>
- 1.主なシワは4種類?
- 1-1.乾燥ジワ
- 1-2.表情ジワ
- 1-3.真皮ジワ
- 1-4.たるみジワ
- 2.要注意!シワが深くなる5つの原因
- 2-1.紫外線
- 2-2.加齢
- 2-3.乾燥
- 2-4.ストレス
- 2-5.生活習慣
1.主なシワは4種類
人間の肌は、「表皮」「真皮」「皮下組織」という3つの皮膚層で構成されています。名称 構造 役割 表皮(約0.3mm) 角質層、顆粒層、有棘層、基底層 水分保持、外部の刺激からのバリア機能 真皮(約1.5mm) コラーゲン、線維芽細胞、血管、皮脂腺、汗腺 表皮を支え、肌の潤いや柔軟性を維持 皮下組織 筋肉、脂肪、動脈、静脈、リンパ管 体温の維持、刺激を和らげる
「シワ」とは、肌の表皮や真皮に現れる線・ヒダ・隆起のことを意味し、老化過程の変化として発生します。一言でシワと言っても、「発生の原因」や「肌のどの部分まで及んでいるのか」によって下記のような種類に分けることができます。乾燥ジワ 皮膚の水分や柔軟性が失われることでできるシワ 表情ジワ 同じ表情を繰り返すことで起こる線状のシワ 真皮シワ 肌老化や紫外線ダメージにより発生する深いシワ たるみジワ さまざまな要因により皮膚が垂れ下がることで起こる深いシワ
正しく予防やケアをするためにもシワの種類について理解を深めましょう。<1-1.乾燥ジワ>
乾燥ジワとは、乾燥小ジワやちりめんジワとも呼ばれる表皮に現れる比較的浅いシワです。皮膚の水分量が不足し乾燥状態になることで「角質層が厚くなる」「ターンオーバーが早まる」「しなやかさが失われる」といったさまざまな変化が起こります。このような乱れた肌コンディションの状態で皮膚を動かすことで、表皮が落ちくぼみ溝(シワ)が発生します。
瞬きや咀嚼などで動きのある目尻や口元に発生する傾向にあり、人によっては30代頃から目立ち始めるでしょう。他のシワと比べて対処しやすいのが特徴で、水分や油分を補うことで症状を和らげることができます。
<1-2.表情ジワ>
ハリと弾力性のある肌ではすぐに消えてしまう表情癖による線も、柔軟性が失われた肌ではクッキリとシワとして刻み込まれ「表情ジワ」として定着してしまいます。目を細める、眉を動かす、眉間に力が入るなど、表情が豊かな人や顔の動きに癖を持っている人に起こりやすいシワです。早い人では30代頃から「ついたシワが消えにくくなった」と感じる人が増え始め、40代以降では表情を変えていない時にもシワが目立つようになってきます。
シワができている部分から、自分がどのような表情の癖を持っているのか考え対策をしましょう。併せて保湿ケアも行い、肌の柔軟性を保つことも大切です。
<1-3.真皮ジワ>
真皮の保湿力や弾力性が失われ、表情ジワや乾燥ジワがより深く真皮部分にまで刻み込まれることで発生するのが「真皮シワ」です。40代後半~50代のターンオーバーが遅くなるタイミングで一気に目立つようになり、年齢とともにその数が増します。
紫外線ダメージによる真皮の変性や加齢によって線維芽細胞機能が低下した状態の肌に起こりやすく、保湿ケアだけでの改善は難しいでしょう。コラーゲンやエラスチンといった肌内部のたんぱく質への働きかけを行い、真皮が持つ本来の働きを取り戻すことで進行を和らげる効果が期待できます。
<1-4.たるみジワ>
筋肉の衰え・紫外線ダメージ・皮下脂肪の増加・姿勢・喫煙・生活習慣などにより、皮膚が脂肪や皮膚組織を支えられず垂れ下がった状態になることで、たるみが発生します。たるんできた部分が折れて線のようになることから始まり、次第に深くシワとして定着したものが「たるみジワ」です。
現れる部分によって「ほうれい線」とも呼ばれるこのシワは、目の下のくぼみや首の下などにも起こりやすく、老化による衰えとして多くの人が悩まされる深いシワです。特に、若い頃からスポーツを楽しんでいた方など紫外線の影響を強く受けていた人は要注意です。
肌を内側からケアすることに加え、代謝の改善やハイフ(高密度焦点式超音波)といったたるみ治療も併せて行うとよいでしょう。
2.要注意!シワが深くなる5つの原因シワは、表皮に現れた浅い時点で対策することで進行を防げる可能性があります。特に、深く刻まれた真皮ジワをすぐに目立たなくすることは難しいため、日頃からのケアを心がけてください。
シワが深くなる5つの原因と今日から実践できる方法を確認し、健やかな肌を目指しましょう。<2-1.紫外線>
「紫外線」とは太陽光から発せられる目に見えない光線のことで、「UVA」と「UVB」という2つの波から構成されています。
波の種類 特徴 UVA(紫外線A波) ●真皮層にまで影響を与える
●コラーゲンやエラスチン組織の破壊、変性
●通年降り注ぐ
●雲やガラスも通過する
●蓄積され、後から影響が出るUVB(紫外線B波) ●強いエネルギーだが、表皮への影響にとどまる
●シミや日焼けの原因
●日本では6月~9月に多い
●雲や木陰などで遮ることができる
●すぐに影響が出る「UVA」が真皮内の組織を破壊・変性させることで、肌は弾力を失い組織のバランスが崩れ、真皮シワやたるみジワが起こりやすい状態となります。帽子や日焼け止めクリームなど基本的なUVケアを徹底し、肌ダメージの蓄積を減らすよう心がけましょう。
<2-2.加齢>
人間は20~30代をピークにさまざまな身体機能が衰えを見せはじめ、肌にも次のような大きな影響を及ぼします。
線維芽細胞の機能低下 肌の弾力・保湿を司るコラーゲンやエラスチンといったたんぱく質を生成する「線維芽細胞」の機能が低下。これにより、乾燥・張りの低下・肌バランスの乱れが起き、シワができやすくなる。 筋力の低下 表情筋の力が低下することで、顔の皮膚組織を支えきれなくなりたるみが発生。たるみが定着することで深いたるみジワとなる。 基礎代謝の低下 代謝が悪くなることで、肌のターンオーバーが遅くなり角質が重層化して乾燥の原因となる。また皮下脂肪が増加することにもつながり、たるみを引き起こす。 女性ホルモン量の低下 女性ホルモン量が低下することで、エストロゲンの分泌元である卵巣の機能が低下。エストロゲンが減少することで、肌の弾力や水分量の維持が難しくなる。
乾燥には保湿・代謝低下には適度な運動など、機能低下で失われた部分を日々のケアで補うことを意識しましょう。<2-3.乾燥>
水分不足となった肌は、細胞が乾いて縮んだような状態になります。シワの始まりはこの乾燥肌が原因となっていることが多く、乾燥ジワの発生だけでなく他の種類のシワにも悪影響を及ぼすため注意が必要です。
表皮性のしわ予防において「保湿」は非常に重要です。スキンケア法を見直し、化粧水や美容液を活用した肌表面からのケアを徹底しましょう。また、こまめに水分補給を行い、体内の水分量もしっかりと維持することも大切です。<2-4.ストレス>
心身に「ストレス」という名の負荷がかかると、肌にも次のような影響が及びます。
ストレスによる肌への影響 ●表情筋がこわばり、表情ジワができやすくなる
●ホルモンバランスが乱れ、ターンオーバーが乱れる
●活性酸素が多く生成され、細胞の酸化(老化)が起こる
ストレスを溜めないためには、生活習慣を整え適度に身体を動かすことがおすすめです。就寝前のストレッチや半身浴など、心と身体を労わり上手にストレスを発散させましょう。<2-5.生活習慣>
次のような生活習慣の乱れは、老化現象を早めることにつながりシワを深くする原因となります。
食生活の乱れ 糖質過多(糖化)による新陳代謝の低下や油分の摂りすぎによる抗酸化物質の消費は、皮膚の健康を乱す原因となる。また、たんぱく質やビタミンの不足により肌の状態が悪くなる。 睡眠不足 睡眠不足は、肌の新陳代謝に関係する成長ホルモンの分泌量低下を引き起こす。ハリが失われ、シワやくすみの原因となる。 喫煙 煙草に含まれる有害物質の影響により、コラーゲンの生成が抑制される他、血行が悪くなり肌の老化現象が早まる。
キメの整った肌を維持するためにも、乱れた生活習慣を見直し心身ともに健康的に過ごしましょう。
まとめ人間の肌は、表皮・真皮・皮下組織の3つで構成されており、真皮まで達する深いシワは、セルフケアでの改善が難しいと言われています。また、シワの原因は、紫外線・加齢・乾燥・ストレスなどと言われており、それぞれしっかりと対策を行いましょう。特に、紫外線対策は室内や冬場も気を抜かず行うことが大切です。
シワに効果的なハイフをはじめ、さまざまな手法があるため、検討してみてはいかがでしょうか。
この記事を監修したドクター
院長 佐藤 英明 先生