乾燥肌のかゆみはなぜ起こる?かゆい時の対処法や日頃のケアも紹介

乾燥肌とは、皮膚の「角質層」の水分量と皮脂量が不足し、肌が乾燥している状態を指します。乾燥肌では肌のバリア機能が低下しており、外部刺激で皮膚トラブルを起こしやすくなっています。そのため、乾燥肌の方の中にはかゆみにお悩みの方もいるでしょう。


この記事では、乾燥肌についての基礎知識を踏まえ、かゆみが起きる原因や、かゆい時の対処法、かゆみの改善を目指す方法までを詳しく解説します。かゆみが起きる原因を知って対策したい方、皮膚を傷つけずにかゆみを鎮めたい方は、ぜひ参考にしてください。


<目次>

  1. 1.そもそも乾燥肌とは?
  1. 2.乾燥肌にかゆみが起きる原因
  1. 2-1.肌のバリア機能の低下
  2. 2-2.生活習慣の乱れ
  3. 2-3.入浴方法
  4. 2-4.エアコンの風
  1. 3.乾燥肌のかゆみが強い時の対処法
  1. 4.乾燥肌のかゆみを改善するには?
  1. 4-1.1. スキンケアアイテムで日頃からたっぷり保湿する
  2. 4-2.肌の刺激を減らす
  3. 4-3.生活習慣を整える
  1. まとめ


1.そもそも乾燥肌とは?

乾燥肌とは、肌表面を覆う「角質層」の水分量と皮脂量が不足することにより、肌が乾燥している状態のことです。ドライスキンや乾皮症と呼ばれることもあります。入浴後や洗顔後に肌がつっぱる感じがしたり、肌にかさつきやごわつきを感じたりした時は、乾燥肌を疑いましょう。


特に乾燥しやすい部位は、皮脂の分泌量が少ない頬や目の周り、口周り、ひじ、ひざ、すね、足の裏などです。乾燥した肌はバリア機能が低下し、紫外線や花粉などの外部刺激で皮膚トラブルを起こしやすい状態になっています。


さらに、水分不足により肌がくすんで見えてしまうこともあるため、乾燥肌トラブルが気になる場合は、保湿アイテムを使って早めにスキンケアをすることが大切です。


2.乾燥肌にかゆみが起きる原因

乾燥肌のかゆみが気になる方は、原因を知って適切に乾燥対策をすることで、つらいかゆみを和らげられる可能性があります。生活習慣が原因になっているケースも多く、かゆみを抑えるには、意識的に行動や環境を変えることが重要です。
ここでは、乾燥肌にかゆみが起きる原因を、4つのポイントに分けて解説します。


<2-1.肌のバリア機能の低下>

かゆみの根本的な原因と言えるのが、乾燥による肌のバリア機能低下です。肌のもっとも外側、皮脂膜の下にある角質層は、肌からの水分蒸発を予防し、外部刺激や異物から肌を守るバリア機能を持っています。


バリア機能が正常に働いている肌では、わずかな肌ストレスや刺激でかゆみが出ることはありません。しかし、乾燥などさまざまな要因でバリア機能が低下していると、小さな刺激でも強いかゆみを感じてしまう場合があります。


またかゆみを感じて肌を掻くと、肌状態が悪化し、余計にかゆみが強くなることもあるため注意が必要です。


<2-2.生活習慣の乱れ>

生活習慣の乱れが、肌の乾燥・かゆみにつながることもあります。肌のバリア機能を担う角質層は、ターンオーバーと呼ばれる一定のサイクルで、古い細胞を新しい細胞に入れ替えています。


ターンオーバーは、栄養の偏った食生活や運動不足、睡眠不足といった生活習慣の乱れの影響を受けやすいことが特徴です。ターンオーバーが正常に行われない場合、角質層の古い細胞がうまく入れ替わらず、バリア機能の低下につながります。


特に寝不足や飲酒、喫煙、無理なダイエットなどは、ターンオーバーが乱れる原因になるため注意しましょう。


<2-3.入浴方法>

入浴方法によっても、かゆみが出やすくなることがあります。特に、41℃以上の熱いお湯に浸かったり、毎日10分以上の長風呂を楽しんだりしている方は要注意です。熱すぎるお湯や長時間の入浴は、肌の水分や皮脂を失いやすく、バリア機能の低下につながります。


ただし、浴槽に浸かること自体は問題ありません。38〜40℃程度のぬるま湯で10分程度入浴すれば、血行がよくなりリラックスできる上、入浴後にスキンケア化粧品が肌に浸透しやすくなります。また、保湿成分入りの入浴剤を使うのも方法の1つです。


<2-4.エアコンの風>

エアコンの風が肌に直接当たると、乾燥してかゆみや肌トラブルを引き起こしやすくなります。また、風が直接当たっていなくても、エアコンで空気が乾燥した部屋に長時間いると、肌の水分が奪われてしまうことがあります。


エアコンの風による乾燥は、冬場の暖房だけでなく、夏場の冷房でも起こる可能性があるため注意が必要です。


肌の乾燥予防のために、自宅ではエアコンの風量や風向を調節して、風が直接当たらないよう気を配ってみてください。また冬場は、加湿器を併用して湿度を上げるのもよいでしょう。


3.乾燥肌のかゆみが強い時の対処法

肌のかゆみが強い時の主な対処法は、下記の3点です。

・掻かない

・保冷剤や氷で冷やす

・保湿する


かゆい部分を掻くと、バリア機能が低下し、肌がさらに敏感になります。掻くことでますますかゆみを悪化させる悪循環に陥ることもあるため、かゆくても肌を掻かないよう気を付けましょう。


どうしてもかゆくて我慢できない時は、保冷剤や氷、濡らしたタオルなどで冷やすと、かゆみが和らぎやすいです。また、かゆみを根本的に改善するには、毎日スキンケアを行い、肌を保湿することが大切です。


4.乾燥肌のかゆみを改善するには?

乾燥肌のかゆみを緩和するには、日頃からスキンケアをして、生活習慣を整えることが大切です。ここでは、乾燥肌のかゆみを改善する方法を3つ解説しますので、ぜひ参考にしてください。


<4-1.スキンケアアイテムで日頃からたっぷり保湿する>

乾燥肌のかゆみが気になる時は、化粧水や乳液、ボディクリームなどのスキンケア商品を揃えて、毎日しっかりと肌を保湿してください。


バリア機能の回復効果が期待できるケアアイテムを使ったり、化粧水でパックをしたりするのもよいでしょう。特に入浴後や洗顔後は肌が乾燥しやすいため、早めに保湿する必要があります。


また、スキンケアアイテムは商品のパッケージに書かれている使用量を守り、気になる場所にまんべんなく塗り広げるのがポイントです。使用量が少ないと、効果を十分発揮できず乾燥の原因になることもあるため注意しましょう。


<4-2.肌への刺激を減らす>

肌への刺激をできるだけ減らせるよう、生活に工夫を取り入れることも重要です。肌に刺激を与える要因には、下記のようなものがあります。

・紫外線

・エアコンの風

・メイク用品

・衣類

・毛髪

・汗


日除け対策や自宅のエアコンの設定調節を行うことで、紫外線やエアコンの風による肌負担を減らせます。肌に合わないメイク用品や雑菌が繁殖したパフ、ブラシなどが肌荒れの原因となることもあるため、心当たりがある方はメイク道具を見直してみましょう。


また、肌に触れる衣類や毛髪、汗が気になる場合は、衣類や髪形を変える、こまめに汗を拭くといった対策を行ってください。


<4-3.生活習慣を整える>

生活習慣は肌のターンオーバーに影響するため、正常なターンオーバーで角質層のバリア機能を維持するには、生活習慣を整える必要があります。


例として、食事の際は栄養が偏らないようタンパク質やビタミン、ミネラルなどをバランスよく摂取することなどが挙げられます。香辛料などの刺激物は、体が温まってかゆみが出やすくなるため、控えましょう。


また、肌のターンオーバーに必要な成長ホルモンを分泌させるために、夜は質のよい睡眠をとることを心掛けてください。寝る前のスマホやテレビは、睡眠習慣の悪化につながるためできるだけ避けましょう。


まとめ

乾燥肌では肌のバリア機能が低下していることが多く、少しの外部刺激によってもかゆみが引き起こされる傾向にあります。かゆみが気になる場合は、入浴方法やエアコンの風などに問題がないか確認するほか、生活習慣の乱れを改善してみましょう。


かゆみが強い時は、皮膚をこすったり爪を立てたりせず、冷やしたり保湿したりすることが大切です。日頃からスキンケアをしっかり行い、肌への刺激を減らすなどして、乾燥肌そのものの改善を目指すとよいでしょう。


この記事を監修したドクター

STスキンクリニック青山

院長 田澤しおり 先生

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