シワとは?種類や部位別・年齢別の原因と対策方法を解説
シワができると、老けた印象となって悩む方は少なくありません。シワは、乾燥などによってできる浅いシワと、皮膚内部の成分の現象によりできる深いシワに分類され、改善のアプローチが異なります。
この記事では、シワの種類と原因などの基本情報から、口元や目元などの部位別のシワの特徴、シワ改善・防止のための習慣までを詳しく解説します。年齢別のケアについても触れるため、シワが増えてお悩みの方や、シワの改善・防止に興味のある方は、ぜひ参考にしてください。
<目次>
- 1.シワとは?種類と原因も
- 2.【部位別】シワの原因や特徴
1.シワとは?種類と原因も
シワとは肌の表面にできる溝や細かい筋目のことです。皮膚の内側で弾力性を保つコラーゲンやエラスチンが変性するほか、皮膚の水分や皮下脂肪の減少によって肌に緩みができることで起きやすくなります。
シワ対策を行うためにはタイプ別の特徴について知り、シワの知識を深めましょう。
<1-1.シワの種類>
シワにはさまざまな種類があります。ここでは「真皮性シワ」と「表皮性シワ」の2種類に分けて紹介します。
皮膚は表面から表皮、真皮、皮下組織の順に3つの層で構成されています。真皮性シワは、紫外線の影響などによって皮膚の内側にあるコラーゲンやエラスチンが減少し、弾力性の衰えによってできる深いシワのことです。
真皮シワはなかなか戻りにくいことから大ジワと呼ばれています。また、真皮シワには老化による筋肉の衰えや、ハリ弾力の低下などでできるたるみジワがあります。
一方で、表皮性シワは加齢による新陳代謝の低下や、皮膚の水分量の減少によって皮膚の表面上にできる浅いシワのことです。表皮性シワには肌の潤いが不足し、乾燥によってできる乾燥ジワや小ジワがあります。
<1-2.シワの原因>
シワの主な原因は弾力性の低下ですが、加齢だけが原因ではありません。さまざまな原因がある中で、押さえておきたい3つの原因を説明します。
・肌の乾燥
肌の水分量が不足し乾燥している状態が続くことで、肌のキメが乱れて細かいシワができます。特に、気温や湿度が低い季節や、エアコンの付いた環境などは乾燥しやすく、肌のバリア機能が低下するので注意が必要です。
・紫外線によるダメージ
紫外線は肌の奥の真皮にダメージを与えます。繰り返し紫外線を浴びることで、肌の弾力やハリを与えるコラーゲンやエラスチンが減少します。結果的にシワやたるみができるのです。
・ホルモンバランスの乱れ
女性ホルモンは肌の弾力性を保つコラーゲンやエラスチンの生成に関わるエストロゲンが分泌されます。更年期などでホルモンバランスが乱れると、エストロゲンが減少し肌の弾力性が低下するのでシワができやすくなると言われています。
2.【部位別】シワの原因や特徴
顔や首などには乾燥によってできるシワや表情・癖によってできるシワ、深いシワなどパーツごとにできやすいシワや特徴に違いがあり、肌のケア方法も異なります。
ケア方法は保湿や紫外線対策、マッサージ、癖の見直しなどさまざまです。顔や首にできるシワの特徴を知り、それぞれに合わせたケアをしましょう。
<2-1.口元>
口元は顔の中でもシワができると目立ちやすい部分です。加齢とともにハリを保つコラーゲンやエラスチンが減少する以外にも、表情筋の衰えによっても、口元のたるみやシワが発生します。表情の変化が少ない人は、特にシワができやすいので、意識的に表情筋を鍛えるトレーニングをしましょう。
また、食べる時に無意識に片方の歯で噛む癖があると、癖ジワができやすい傾向にあります。食事の際は左右均等に口を動かし、ゆっくり食べることを心がけましょう。
なお、口元にできやすいシワは、ほうれい線やマリオネットラインなど深いシワです。フェイスマッサージなどのセルフケアを取り入れると、リフトアップ効果が期待できます。
<2-2.目元>
目は顔の印象を大きく与える部分であり、目元や目尻にシワができると老けて見えたり疲れた印象になります。顔のパーツの中でも目元は皮膚が薄く、浅くて細かい乾燥ジワや癖ジワができやすい傾向にあります。特に眉間を寄せるクセがある人は眉間にシワができやすいので注意しましょう。
また、目元は洗顔やクレンジングなどの摩擦によるダメージを受けやすく、アイメイクが濃いことなども肌トラブルの原因になります。洗顔やクレンジングの際は優しく洗い、できるだけ摩擦しないようにしましょう。さらに、パソコンやスマホを長時間使用することで目が疲れ、肌の血行が悪くなり、シワができやすくなることがあります。こまめに休息したり、ホットアイマスクで目の疲れを和らげましょう。
<2-3.額(おでこ)>
おでこのシワの主な原因は、表情による癖ジワです。おでこには前頭筋という額の周囲を動かす筋肉があります。前頭筋は目の筋肉と繋がっており、目を開く時に、自然と前頭筋も動いてしまうことで癖ジワができやすいです。
おでこの癖ジワは、眉毛やおでこを動かさないトレーニングをすることでシワを和らげます。トレーニングというと難しく感じますが、簡単なことから始めましょう。
目を開く際に目元だけを動かす意識をするだけでも、トレーニングになり目の周辺に筋肉が鍛えられます。また、頭皮や目の周りのセルフケアをしてコリをほぐせば、おでこのシワ改善が期待できます。
<2-4.首>
首のシワは、あごを引く動きや、姿勢など普段の習慣によってできる癖ジワが主な原因です。デスクワークやスマホの使用で長時間下を向く姿勢をとることや高い枕、猫背などの要因で、年齢が若い人でも首のシワができます。
まずは普段の姿勢や体勢を見直しましょう。下を向く姿勢を避け、頭が天井に引き上げられているイメージで姿勢を正すと、自然と首が伸びます。
また、首をマッサージする方法もあります。ただし、力を入れてマッサージすると、摩擦により皮膚にダメージを与えるため、クリームやオイルを使用し、優しくマッサージしましょう。
3.シワ改善や防止につながる習慣
シワを改善、予防するためには、日々の生活習慣を見直すことが大切です。特に欠かせない習慣は「十分な保湿で乾燥を避けること」と「紫外線対策をすること」です。乾燥による一時的なシワの場合、保湿ケアで改善する可能性があります。
紫外線対策の基本は日焼け止めを塗ることです。外出時は日焼け止めと日傘や帽子、サングラスなどUVグッズを合わせて使用しましょう。紫外線のダメージは蓄積されていくので、季節問わず対策が大切です。
また、「食事」や「睡眠」にも気をつけましょう。栄養バランスの偏った食事は肌トラブルにつながります。主食・副菜・汁物・果物など和食中心にバランスの良い食事を心がけましょう。
さらに、寝不足によってホルモンバランスが乱れ、肌に負担がかかることもあります。良質な睡眠のために、寝る前はスマホやパソコンの使用を控え、できるだけリラックスした状態で就寝しましょう。
<3-1.年齢別のケアのポイント>
シワは年齢によって進行度合いが異なるので、スキンケアの方法も年齢に合わせることが大切です。以下では年齢別のケア方法や注意点を説明します。
・20代
生活習慣や環境の変化や、化粧などにより徐々に肌への負担が増えてくる年齢です。女性ホルモンの分泌やコラーゲンの生成力も高いため、シワができにくいですが、紫外線のダメージは若い時から蓄積されるので、紫外線対策と毎日の保湿はしっかり行いましょう。
・30代
コラーゲンの生成が低下し、肌トラブルやシワが増え始める年齢です。乾燥が気になったら、早めにスキンケアをしましょう。また、仕事や家庭でのストレスや睡眠不足など肌に負担がかかりやすい時期でもあるため、質の良い睡眠と規則正しい生活習慣を心がけましょう。
・40代
加齢によりコラーゲンが減少し、たるみやシワが増え始める年齢です。毎日のスキンケアに加えて、頭皮マッサージや表情筋のトレーニングも継続的に行いましょう。基礎化粧品は保湿成分の高いものを選び、十分な保湿をしてください。
・50代
更年期でホルモンバランスが急激に乱れ、肌への悪影響だけでなく、体調が優れないことも増えます。化粧品や美容液はできるだけ肌への負担が少なく、保湿効果の高いものにしましょう。
まとめ
シワの主な原因は乾燥や紫外線によるダメージ・ホルモンバランスの乱れなどです。また、口元・目元・額など部位によってもできやすいシワの種類やケアの方法が異なります。シワができやすい習慣がないか、生活を見直し、改善やセルフケアを行うとよいでしょう。
また、シワは年齢によってできやすさやケア方法が異なります。自身の年代やシワの傾向を踏まえ、適切なケアを行うことが大切です。なお、一度できてしまった深いしわはセルフケアでは改善が難しい場合があります。
この記事を監修したドクター
院長 田澤しおり 先生